【2017年】アメリカのクラフトビール市場は2.6兆円!

2017年のアメリカのクラフトビール市場

アメリカのクラフトビール市場について、包括的なデータがあったので日本語で紹介したいと思います。

データの出所はアメリカのBrewers AssociationというNPOです。

統計データを載せた下記の2つのページ。

ピクトグラムでクラフトビールに関する統計を紹介しておりわかりやすいです。

Brewers Association 統計1

Brewers Association 統計2

 

なお、以前にロサンゼルスのクラフトビール事情について書きました。

ロサンゼルス在住の私がおススメするクラフトビール8軒

 

クラフトビールの定義

さて、数字を見る前にクラフトビールの定義を確認しておきましょう。

今回の統計データを発行したBrewery Associationが「クラフト・ブルワリー」の定義を作っています。

クラフトビールとは、クラフト・ブルワリーで作られたビールと言い換えて問題ないでしょう。

ではクラフト・ブルワリーの定義です。

少量生産
独立
伝統

言葉が足らなすぎるので補足していきましょう。

・少量生産とは

年間生産量が600万バレル(70万キロリットル)以下。

 

・独立とは

他のビール企業が保有する割合が25%以下。75%以上が個人かビール業界とは全然関係ない団体・企業でないといけない。つまり、AB InBevとかの大手に買収されてたりしてちゃいけないってことです。

 

・伝統とは

製造手法が伝統的であり革新的。Flavored Malt Bevarageではダメ。

ちょっと何を言ってるのかよく分かりません。一応原文を見てみましょう。

A brewer which has a majority of its total beverage alcohol volume in beers whose flavors derive from traditional or innovative brewing ingredients and their fermentation. Flavored Malt Beverages (FMBs) are not considered beers.

TraditionalでありInnovativeな原料と発酵ってなんやねん。まあ、最後のFlavored Malt Beveragesはダメだよってことが良いたいのでしょう。日本でも同じですが、麦芽やホップの量・配分によって、その飲み物をビールと称するかFMBと称するかが変わるようです。ちゃんとビールやないとアカンで、ということでしょう。ビールの定義は割愛。

まとめると、クラフトビールとは、少量生産で、大手ビール企業に買収されていないビール会社が作った、発泡酒とかでないちゃんとしたビール、と言った感じでしょうか。

 

売り上げ額

では、早速統計を見ていきましょう。まずは売上額から。

クラフトビール市場 260億ドル(2.6兆円)
ビール市場全体 1110億ドル(11兆円)
クラフトビールの市場占有率 24%

出荷量

続いて市場規模を「量」で計ります。

クラフトビール 2500万バレル(293万キロリットル)輸入ビール 3400万バレル(398万キロリットル)
その他のビール 1.37億バレル(1600万キロリットル)
全体 1.96億バレル(2300万キロリットル)クラフトビール市場占有率 13%

(1バレル=117リットル)

ブルワリー数と経済波及効果

 

ブルワリー数 6000件以上
経済効果 680億ドル(6.8兆円)

国民の21才以上(お酒飲める年令)のうち83%が10マイル(16キロ)圏内に生活。

ビールの売上だけでなく、醸造所の家賃、ビール製造設備や関連農作物の売り上げ、酔っ払ったお客を搬送するウーバーの売り上げ等々。

 

日本市場との比較

さて、これらの数字は日本と比べるとどれだけデカいのでしょうか?

それは、「実はよく分からない」というのが正しいです。

というのも、日本のクラフトビール市場の統計データは今の所東京商工リサーチが指す下記しかありません。

東京商工リサーチ 統計

クラフトビール(地ビール)出荷量

上記の統計は、金額ベースではなく出荷量ベースです。

しかも、この統計で言う「地ビール」がどれだけアメリカのクラフトビールと定義が近いのかなんとも…。

まあ細かいことは良いので、ざっくり規模感だけ掴みましょう。

最新のものは2017年1〜8月の出荷量を載せています。

その規模10,000キロリットルとのこと。これは8ヶ月分ですので、1年分になおしてみましょう。

年間1.5万キロリットル

先に紹介したアメリカのクラフトビ―ルの出荷量(製造量?)は年間293万キロリットルでした。出荷量(製造量?消費量?)で考えるとアメリカは日本の200倍のマーケットがあるということになります。数字が桁違いすぎますね。

アメリカのクラフトビール出荷量 年間293万キロリットル
日本の地ビール出荷量 年間1.5万キロリットル
市場規模の差 200倍

市場比較の数字にちょっと差がありすぎるので、あまり信ぴょう性がないかもしれないです。ただ、2018年8月現在入手できるデータで比較すると、こうした数字になるということですね。

ビール業界全体

上は市場の大きさを出荷量で見てました。

アメリカのクラフトビールと日本の地ビールの規模があまりにも違いすぎるので、念の為ビール業界全体の数字も比較しておきましょう。

以下は日本のビール業界です。

出典:業界動向SEARCH.COM

 

「業界規模」というのは日本の4大ビール会社の売上高の合計です。2015年のもの。

アメリカのビール市場全体の売上高は11兆円でした。

アメリカのビール業界全体の売上高 年間11兆円
日本のビール業界(ほぼ)全体の売上高 年間2.3兆円
市場規模の差 5.5倍

業界全体の規模差が5.5倍に対し、クラフトビール業界は200倍の差。まあ、でもこのくらいはある得る話かもしれませんね。

まとめ(お金儲け的な視点での結び)

こちらのエントリでも書きましたが、アメリカはクラフトビールが文化になっています。

アメリカ今飲食店を開いて繁盛させたいのなら、ブルワリーそのものを開くか、レストラン内にブルワリーを併設するかの一択ではないかと思うほどの盛況ぶりです。

私もこのクラフトビール文化を体験してみて、ほんとうに日々の生活を豊かにしてくれるものだと実感しています。

数字にどこまで信ぴょう性があるかは別として200倍もある日本とアメリカのクラフトビールのマーケット。逆に言えば日本はまだまだこれから小規模ブルワリーがオープンしていくのでしょう。

クラフトブルワリーが増えてくれば、大手4社の買収も当然あるでしょう。

日本ではヤッホーブルーイングやその他ごく少数の小規模ブルワーが流通の棚を牛耳っています。この光景は変わってくる可能性はおおいにあります。

アメリカの全国規模のスーパーでも、ビールの棚は地域ごとに、その地のクラフトビールでひしめいています。

これはすごく気持ちが良いです。出張で訪れたオハイオ州のスーパーには、今まで見たことのないビールが所せましと陳列されている。これってすごく新鮮で、「わ、これも試したい、あれも試したい」という欲求がわいてきます。

将来のセブンイレブンではこういう光景が見られるかもしれません。東京では、多摩で醸造したクラフトビールが、一番搾りの横に置かれている。大阪のコンビニでは京都で作られたクラフトビールが、黒ラベルの隣に位置している。北海道、九州、その他の地域でも同様に。

私自身このビジネスをタイムマシン経営(アメリカで成功したビジネスモデルを日本に持ち込む方法)してみたいとも思います。

惜しむらくは、ビール作りは初期投資が必要なこと、時間がかかること(他にもやりたいこといっぱい)でしょうか。

でも、小規模ビール醸造→大手に買収、というEXITは確実にアリだと思います。