米国税理士になるメリットはあまり無い?

米国税理士(EA)になるメリットってあるのだろうか?日本にいるのに米国税理士試験を受ける必要ってある?

そんな疑問にお答えします。

結論は「米国税理士資格を取るメリットはある」です。

こんなツイートをしました。

米国税理士になるメリット1:独占業務

まずはお堅いはなし。

米国税理士になる最大のメリットは、米国歳入庁(IRS)に対する独占業務です。

弁護士や公認会計士が独占業務(その資格を持った人にしか行えない業務)を持つように、米国税理士は下記のような独占業務を持っています。

納税者の代理人として、米国歳入庁との一切の折衝を行うこと。例えば、

  • IRSの見解に対する不服を表明するレターの作成や電話でのコミュニケーション
  • IRSとの対面での面談や会議への同席、納税者が同席しない面談や会議への出席

要はIRSとのやり取りに一切の制限が無いということです。これが存在意義ですね。

米国税理士になるメリット2:米国税理士試験を通じて英語に慣れる

個人的にはこれが結構おすすめです。

英語学習としての米国税理士試験勉強です。

日本にいると英語を訓練する場が中々ありません。だって必要ないですから。1億人のマーケットで、個人所得も非常に高い。識字率はほぼ100%。こんな状態であれば英語を使わなくても十分キャリアを築けます。

しかし、より条件の良いポジションにつきたい、海外を股にかけて仕事をしたいなんていう志高いビジョンを持っている方や、外国人のともだちを作りたいといったカジュアルな動機を持つ方まで。

米国税理士試験は当然英語ですので、試験勉強を通じて英語に慣れることができます。

試験勉強は200~270時間程度かかりますので、しっかりとした英語のトレーニングになるのが米国税理士の試験勉強なのです。

また、言わずもがなですが米国税務の知識をつきます。

英語と米国税務の知識がつくとどうなるか?

次の章で見ていきましょう。

米国税理士になるメリット3:転職市場で一定の評価

米国税理士資格を取ると、Big4と呼ばれる四大会計事務所ややや規模が小さい国際会計事務所への門戸が開いてきます。

日本人の中には英語が得意なプレイヤーは決して多くないので、英語を武器にできる場合とても強みになります。米国税理士試験の勉強がその足がかりになるでしょう。

また、米国はマーケットとしても、製造拠点としても魅力ある国なので、日本企業が進出する余地はまだまだあります。

ビジネスとして米国が選ばれ続けられる以上、米国税務の知識に対する需要はなくなりません。

USCPAに挑むのはしんどいな、という方、EAならその負担はかなり低くなるので是非チャレンジしてみてください。英語と税務という転職市場での強みが手に入ります。

現在は私は転職活動中です。もちろんUSCPAほど顕著ではありませんが、米国税理士資格は「少なくとも足しには間違いなくなる」というのが私の感想です。

二人のキャンディデイトがいて、一方はEAを有していて、もう一方は資格なしの場合、当然前者の印象が良いです。

日本でBig4や準大手の税理士法人に転職したい方がいるかと思います。もし現在丸腰(資格なし)の場合、米国税理士を取るのが最もコスパが良いですよ。

転職活動の前に、米国税理士資格を200~270時間程度(1日2時間で4か月)でさっさと取ってしまいましょう。

その資格を履歴書に書いておくだけで、大分印象が変わってきます。

税理士法人は常にスタッフを探しているので、タイミングさえ合えばBig4でも入所することは十分可能です。私が証人です。

転職市場ではもちろんのこと、新卒市場でも効果あると思います。USCPAとか日本の税理士資格はしんどいけど税理士法人で働きたい大学生の方。米国税理士資格でも十分履歴書の見栄え良いですよ。

米国税理士になるメリット4:合格した後やった感が高い(小さい成功体験になる)

たかが資格試験、されど資格試験。

合格するとやはり嬉しいものです。小さな成功体験に確実になります。

日本の公認会計士試験、税理士試験、米国公認会計士(USCPA)試験は、かなりまとまった期間の勉強が必要となります。前者の二つは数年費やすなんて普通でしょう。USCPAでも通常1年近くかかります。

米国税理士に関しては、前述の通り数か月で十分です。しかし、合格した後の達成感はやはり格別なものがあります。

USCPAよりも市場評価は低い資格ですが、それでも自身の成功体験を作るためには格好の機会です。

私のように集中力がない方、机の上で勉強するのが嫌いな方は多くいらっしゃると思います。

そんな方は、いきなり公認会計士試験のような大げさな資格に挑むとモチベーションを維持し続けるのはなかなか難しいです。

まずは小さな山を攻略してください。そこでの成功体験が次の山へ挑むモチベーションを生み出してくれますから。

米国税理士になるメリット5:昇進の条件

さて、これは実際に税理士法人に勤務している方にとってのメリットになります。

会計事務所の昇進はかなり固定的です。スタッフアソシエイトを3年、シニアアソシエイトを3年、マネージャーを最低3年、シニアマネージャーを最低3年、以降パートナー、というキャリアパスです。

この時マネージャーに昇進するためには資格がないといけません。監査の場合はCPA資格を持っていないとマネージャーに昇進できず「永遠のシニア」のままキャリアを過ごすことになります(こういう方は一定数います)。

税務の場合、米国税理士(EA)資格があればマネージャーへの昇進が認められます(国際系の部署の場合)。

米国税理士登録と米国公認会計士(や日本の資格)登録の労力を考えると、EAはたいへんお得な資格ということになります。

少しの労力でマネージャーへの昇進資格が得られるのが米国税理士の良いところ。

まとめ

米国税理士になるメリットをまとめてみました。

  • 独占業務が行える
  • 英語のトレーニングになる
  • 転職市場で一定の評価
  • 小さな成功体験が作れる
  • 昇進資格が得られる

こうしたメリットがあるにも関わらず、試験勉強には大して時間を費やす必要はありません。またUSCPAのように大学での履修条件も一切ありません。

会計関係の資格で一番お得なものがこの米国税理士だと思っています。