私の米国税理士試験合格体験記

私は米国税理士(EA)の試験を独学で突破しました。
一発合格とはいきませんでしたが、比較的短期間で勉強を終えることができました。
そのノウハウをみなさんに共有したいと思います

米国税理士(EA)とは

そもそも米国税理士という存在をご存知ない方もいるでしょう。
日本で独占業務が認められた税理士がいるように、アメリカにも同様の士業が存在します。
英語でEnrolled Agentと言われ、EAと略されます。
米国では、一定の所得を持つ個人は全員確定申告をしなければならず、税理士にお世話になることが日本よりもずっと身近です。
もろん法人確定申告もEAの主な仕事です。

米国税理士(EA)試験とは

米国税理士の試験の問題はすべて4択です。USCPAのように筆記やSimulation問題はありません。
全3科目から構成されています。
Part 1は個人所得税、Part2は法人所得税、Part 3は税務代理業務および諸手続きというラインナップです。
Part 1とPart 2は読んで字のごとし、Part 3は米国税理士がどの範囲まで独占業務が許さているのか、どのように米国歳入庁と折衝するのかを学びます。

米国税理士試験の難易度(各科目合格率)

英語のウェブ記事をちら見する限り各パートは次のような合格率のようです。
Part 1 61%
Part 2 64%
Part 3 82%
ということで全パートを合格するには32%の確率となります。
USCPAの合格率は各パートおおよそ50%です。全4科目なので全パート合格は6%。
このようにUSCPAと比べるだいぶ難易度が低い資格試験となります。
(勉強の負担はUSCPA試験1科目分と考えても良いかもしれません)

米国税理士(EA)試験の勉強時間

私は2018年10月から試験勉強を初めて、2019年1月に3パートすべて合格しました。
4ヶ月の期間のうち実際に勉強したのは40日程度でした。1日あたり約3時間勉強したので、合計120時間程度費やしました。

しかし私は英語も慣れていますし何より実務で米国税務を扱っています。そうでない人がこの試験に挑んだ場合、200〜270時間が妥当かと思います。

米国税理士(EA)試験の試験日

EA試験は5月から翌年2月まで受けることができます。この期間であればいつでも受験可能です。
米国も日本もプロメトリックを通して試験日と試験会場を予約します。

各科目の受験日はこんな感じでした。

Part 2 10/26/2018 合格
Part 1 11/08/2018 不合格
Part 1 12/22/2018 合格
Part 3 01/12/2019 合格

Part 2から受験したのですが、これはすんなり合格。
これに気を良くして習熟度もそこそこにPart 1を受験。見事落ちる。テンションも落ちる。
受験料が180ドルなので、次は無駄にしたくないという貧乏根性に火がつきました。Part 1は結構時間かけて勉強することに。
Part 3は問題なく合格しました。

米国税理士(EA)試験の教材

使用した教材はFast Forward Academyというものです。米国の教材です。
EA試験の日本での知名度はないに等しいので、日本語で勉強できる教材はTACのみかも。
もし英語のリーディングに苦手意識がなければ、米国の教材をお勧めします。
英語の教材は、GleimかFast Forward Academyのどちらかで良いと思います。
もし英語のリーディングがしんどいという方は素直にTACの翻訳テキストを使うと良いでしょう。
なおTACはGleimと提携しているようで、問題演習はGleimのようです。
Fast Forward Academyはテキスト、講義動画、演習問題のコミコミで約500ドル。
TACは邦訳テキスト、DVD、問題演習のコミコミで約10万円〜のようです。

米国税理士試験に必要な英語力

EA試験に必要な英語力はどれくらでしょう。おそらくTOEIC750点以上あれば不自由はしないと思います。
ライティング、リスニング、スピーキングが必要ない試験ですので、正直そこまで英語力は要りません。
テキストと問題が読めれば十分です。
なお税務の知識がまったく無い方は、言い回しや単語に慣れる時間が少しだけ必要かもしれません。

米国税理士(EA)試験とその他の会計系資格試験の違い

米国税理士試験は、USCPAに比べて受験の負担が少ないです。
勉強時間、教材費用、受験費用は、USCPAよりもぐっと小さいので、気軽に挑戦できます。
ましてや日本の税理士試験とは比べるのも変なはなしです。
ですので、日本の公認会計士や税理士、米国公認会計士を目指すのはシンドイけど、税理士法人や税務に関わる仕事に興味があるという方にはうってつけです。
国際会計・税務業界に興味がある大学生にもおすすめです。無理なくその分野の雰囲気を感じることができますので。就職面接にも良いシグナルと思います。

私が米国税理士(EA)試験を通して得られたもの

EA試験を通して私が得られたことは、多くあります。税務の知識と英語力はもちろんなのですが、なんといっても小さな成功体験を手に入れたことが良かったです。
USCPAではないので自慢になる資格でも、転職マーケットで絶大な威力を誇る印籠でもありません。
しかしコツコツやれば受かる、継続すれば結果が出る、という体験を得ることはかけがえのないものです。(資格試験全般に言えることですが)